勉強・読書メモ

最近読んだ本について記録したりする場所です

【勉強メモ】赤攝也『集合論入門』その2

進捗

 一通り読み終わったものの、終盤は殆どチンプンカンプンである。

 とりあえず証明に切片が重要であるとうことは、その多用具合から何となく察した。

 原因は段階的にキチンと読まなかったからであろう。大まかを知ろうとして失敗した。

 

 上記をメモした後、流石に理解がまったくできていなかったので、第三編をゆっくりと読み返し中。

 第三編の本丸である順序数の手前までやってきたので、以下はここまでの振り返り。

 

メモ

 第三編は①順序集合→②整列集合→③順序数→④整列可能定理の順に進む(セクション番号は、本文ではローマ数字)。

 内容相互の関係としては、整列集合を含めた順序を与えられた集合一般について扱われるのが順序集合、整列集合は順序集合の内、任意の部分集合が最小限(min)を持つ集合として定義される。そのため、①で順序を持つ集合のあらましを見た後、②~④は整列集合を扱っている(と考えられる)。

 ①では、順序集合について、同型、最初の元・最後の元・間にある元、順序型が定義される。順序集合についての定理は三つ証明される。とはいえ、定理1と定理2については実質同じであると考えられる。定理1では、

 ⑴順序集合の恒等関数は同型対応であるということ、順序集合AとBについて、

 ⑵AからBへの同型対応があればBからAへの逆関数も同型対応であること、

 ⑶AからBへの同型対応とBからCへの同型対応によってAからCへの同型対応が言える

ということの三つが証明されている。定理3は、順序集合A、Bが同型対応である時、順序を保つという定理であると理解できる(つまり、最初の元・最後の元・間にある元のいずれも、同型対応φによって保たれる)。

 ②では、整列集合について、切片が定義される。そして、定理が二つ証明される。とはいえ、本節は主として整列集合の性質が証明されている。とにかく数が多い。定理1は整列集合Aの部分集合Bへの同型対応φは、φ(a)=aあるいはφ(a)>aであることを成立する。これを証明した後、定理1から得られることとしてφ(a)=aまたはφ(a)<aが証明されて、φ(a)=aであることが証明される(なんでここ分けたのだろう?)。定理2は整列集合AとBについて、

 ⑴AとBは同型である

 ⑵AはBのある切片と同型である

 ⑶BはAのある切片と同型である

ということについて証明され、さらにこれらは同時に一つしか成り立たないことが証明される。この定理2では定理1から得られる事柄が活躍しているが、読んでいた際には、定理1から得られることとしての(C)整列集合はそのいかなる部分集合のいかなる切片とも同型になりえない、を用いればそれで済んでしまうのでは?などと考えていた。これは同時に一つしか成り立たない、ということの証明には使えるが、⑴~⑶のそれぞれの集合がなされなければならないという点を完全に忘れていたため。

 ただ気になるのは、本文では(C)について証明の中で言及されていなかった点である。証明の中での切片と同型にならないという下りは、(C)とは少々異なるのだろうか?もう一度注意して読み直す必要あり。

 

 以上、順序数の手前までのまとめ。数学の言葉遣いが未だに身についていないため、怪しい箇所があるが今後改善。

 順序数については、整列集合の順序型として定義され、序数概念の拡張となっているという説明までは目を通した。一読目よりは、多少道が見えている気がする。

【勉強メモ】赤攝也『集合論入門』その1

〇進捗

 予定通り読み進めている途中です。

 とりあえず読み進めている段階なので進む速度は速いものの、理解できていない箇所は多々あり。一週読んだら、すぐに二週目入っていこうと思います。

 

〇メモ

 本書の本編は三部。プラスで付録があり、Zorn補題はここで扱われている。

 第一部は集合の代数、第二部は濃度、第三部は順序数。Zorn補題と同値の選択公理、整列可能定理は第三部で扱われている(現状は、第一と第二をとりあえず読み終えたあたり)。

 ・第一部については有限集合を中心としてその演算等々が扱われる。ここは高校数学の延長っぽい感じが続く。

 ・第二部からが本題で、無限集合について扱われる。無限集合については、有限集合のように元の数で比較などができないので、濃度という概念が導入されて、濃度の等しさを基本として理解していく方針になっている(はず)。

 恐らく重要なのが、ℵゼロとして導入される可付番の濃度と、ℵとして導入される連続体の濃度(あと関数の濃度fがある)。基本的にはこれらℵゼロあるいはℵを基準として、この濃度と対等かどうかが問題になっているように思われる。ベルンシュタインの定理は、また今度頭の整理を兼ねてメモ。

 自分は連続体の話はあまり知らないのですが、連続体の問題というのはどうやらℵゼロ<a<ℵにおいて、このような濃度aがあるのかが問題らしい。ちなみに解決不可能とのこと(そういう濃度は存在しない?)。一般連続体の問題の場合は、無限集合Aとそのべき集合の濃度の間に、他の濃度があるかという問題で、こちらも同じく解決不可能であるらしい。

 集合論の教科書を読んでいて、いつもふと出てくる添字集合がいまいちピンとこない。集合の元などを数列a,a1,a2,...,anで表現する時に、そもそも数列にラベルする番号の集合にも濃度を考慮している、くらいの大雑把な理解でよいのでしょうか。読み直す際に注意してみよう。

 

とりえずのメモ。

目的と目標(初年)

〇このブログの目的

 ・読書及び勉強したことのアウトプット

 ・下記目標の進捗メモ

 

〇今年の目標

 (1)束論への入門

 (2)論理学の学習継続

 (3)英語の学習継続

 (4)独語の学習継続

 

 あまりやることを多くしすぎても継続できなくなりそうとは思いつつ、上記4点はとりあえずやりたいこと。最優先は言わずもがな。

 最低限度は⑴と⑶として、⑵と⑷は可能であればということで。

 ただ、見通しが正しければ束→ブール代数→論理とつながりそうなので、スムーズに進めば⑴しつつ⑵の勉強になるかも?

 

〇目標のための計画

 ⑴については、そもそも束論への入門が正直分かりづらいので当座の予定(独学のため見当違いな見通しをしている可能性あり)。日本語で読める書籍をちらっと覗いた感じだと、集合論(順序集合)→束論としているパターンが多かった。ただ、群や環の話もあったため、自分は以下のように進めるのを当面の目標とする。

 

 集合→群→環(→体?)→束

 

 ただし、自分の数学センスは壊滅的なのでじっくりと。

 とりあえず集合論の著作は、よく見かける赤攝也の『集合論入門』を利用する。読み終わったら竹内外史の『現代集合論入門』あたりに手を出してみる?

 群は志賀浩二の『群論への三十講』を。あとは、YouTubeのヨビノリさんを参考に。

 分からなかった場合は、適宜別の本を参考。

 今年は束論自体に取り組むことができなくても、最低限、代数的構造の話に慣れたらオッケーという甘めの判定。判定基準になる本は考え中。

 

 ⑵論理学はこれまでの継続。ただし、テキストは戸次大介にするか、L.T.F.Gamutのものにしようか迷い中。⑴を考慮すると、前者の数理論理を中心とした方がよいのかもしれないが、後者をすると英語の勉強も兼ねてできる。

 

 ⑶長文の読解を鈍らせないようにする。読む本は⑵で述べたGamutか、E.AuerbachのMimesis(英訳版)。訳文を作るかは検討。厄介な箇所だけ訳す?Mimesisに関しては、イントロとして付されてるサイードの文章は訳す予定。

 上記の読書が厳しい場合は、TOEICの勉強用に問題集を解く。こっちの方が客観的に進捗が分かりやすい。一日1問か2問程度解くようにする。量を多くして継続できなかった場合が一番悲惨。

 

 ⑷CarnapのDer logische Aufbau der Weltを訳していく。邦訳されている別の著作の最後のページに刊行予定と書いてあった気がするが、調べても見つからないので発売されていないのかもしれない。一日一文、一段落、一ページでも、とりあえず読むようにする。一月は少し厳しいので二月ごろから。

 

 以上。アウトプット環境が減っていくということで作成。面倒になって放り出さないようにだけ気を付けていきます。